風の谷のナウシカ
最初から通して見るのは何十年ぶりかなのだろう。
大抵は仕事から帰ってきて、ラスト30分くらいを観ていた。
改めて観ると、ナウシカは完全に軍人である。
格闘技、銃器取り扱い、戦闘機操縦、舞台指揮、救命救急術、
それらを熟知し実践できる。
宮崎駿にとっての理想的な人間とはまさにそのような
全人的能力を兼ね備えた人物なのだろう。
そして、風の谷は「未来少年コナン」のハイハーバーのように
環境重視のコミューンであり
当然のように自衛武装をしている。
そこには中国の人民公社が本来的に目指そうとした
姿が理想的に描かれている。
今回の放映にあたっては、マスク姿が現在のコロナ禍を予見したかのように見る向きもあるが
今現在においても作品の持つ現在性というのは
そもそも生産性至上主義の資本主義が行き着く先を予見していたことにあるだろう。